ポメラニアンの皮膚を健康に!季節ごとのお手入れ
被毛や歯、目や耳といったところのケアというのは意識しても、
愛犬のお肌(皮膚)のケアというのはあまり意識したことがないのではないでしょうか。
意外(?)にも犬の皮膚は人間よりもデリケートです。
皮膚の薄さが、人間の1/3~1/5倍と薄く、トラブルも起きやすいのです。
もしかしたら、人間の女性よりもデリケートからもしれません。
そこで、ポメラニアンの皮膚のお手入れについてまとめました。
スキンシップも兼ねて毎日観察して皮膚病を察知しよう
ポメラニアンは長毛種なので、外見からはほぼ皮膚の初期トラブルは確認できません。
脱毛などしたときには、だいぶ進行している可能性が高いので、
スキンシップもかねて、毛をかき分けながら皮膚の状態を確認しましょう。
特に、耳の後ろ、脚の根元(わき)、肛門周り、しっぽ根元、
足などは皮膚病になりやすいので、しっかりとチェックします。
また通年してブラッシングをすることが、皮膚を良い状態に保つのに重要です。
春先はノミやダニに注意しよう
3~5月になって段々と温かくなってくると、ノミやダニが到来してきます。
戸外の草むら、部屋の敷物などは特に外部寄生虫が住みやすい場所です。
お散歩から帰ってきたら必ずブラッシングで皮膚を確認し、
愛犬用の敷物は小まめに洗濯をして清潔に保つとよいです。
ノミ除けの予防薬やスプレーなども使用します。
ノミやダニはたいてい視覚で確認できるものが多いので、
愛犬がかゆがるときは、皮膚や被毛を入念にチェックします。
見つけたらピンセットなどで、つぶさないように取り除きましょう。
つぶすと卵が散乱するので注意!!
また吸血中のダニを無理にはがすのも逆効果なので、吸血が終わるのを待ちます。
除去しても、皮膚が赤みを帯びてきた、愛犬がかゆがる行動が収まらないときは、
念のため獣医師に診察を受けた方が良いと思います。
夏場は脂肌にご注意を
6月~9月にかけて、暑さが一段と強い季節になってくると、
被毛や皮膚ののべたつきが起こることがあります。
これは、皮下脂肪が関係していて、
肉類の多いと脂肪分が多いためどうしても脂性肌になってしまうのです。
べたつきが確認できたら、高カロリー食を控えて、
脂肪分の低い食事に切り替えることで皮膚のコンディションを整えます。
シャンプーも通常は月1回で十分ですが、
清潔に保つためにも月二回は心掛けた方が良いでしょう。
脂性皮膚用のシャンプーもあるので、使用するのもいいと思います。
紫外線対策
紫外線が皮膚を傷つける恐れがあります。
特にサマーカットした場合は皮膚に直接ダメージがいきやすくなるので、
日差しがあるところを避けたり、洋服を着せるなどします。
洋服を着せると蒸れやすいので、定期的に外し、湿気を飛ばすつもりで軽くドライヤーを当てましょう。
蚊の対策
夏場は蚊の季節でもあります。
蚊にさされて良いことはありませんので、犬用の防蚊剤など使用すると良いです。
できる限りがさ藪なども避け、窓の隙間から蚊が入らないよう注意します。
湿気対策
湿気も細菌の繁殖を促し、皮膚病の原因になります。
9月~10月も室内の湿気はまだまだ多いので、小まめにブラッシング、
定期的にドライヤーで湿気飛ばしをしましょう。
秋もノミ・ダニに注意
10月ぐらいに入ってくると暑さもひと段落するので、
犬にとっては一番過ごしやすい季節かもしれません。
ただ、この時期も依然、ノミやダニは住みついているので、
寝床などは清潔に保つこと、11月ぐらいまでは定期的に皮膚をチェックしましょう。
冬は乾燥肌の季節に
11月も終わりを迎えることになると、段々と乾燥してきます。
人間の肌がカサカサになるのと同様に、犬の皮膚も乾燥してカサカサしやすくなります。
よく観察しないと初期段階は見れませんが、
- 被毛も乾燥しパサパサしている
- フケのようなものが出ている
- かゆがって体を舐めたりする
といった様子が見られたら、乾燥肌のサインです。
乾燥肌の原因は暖房器具にあります。
できる限り使用をひかえつつ、加湿器を使うなどして対応します。
保湿対策の一環としては、
- 乾燥性皮膚用シャンプーを使用する
- トリートメント剤をしっかりと使う
- 保湿効果の入浴剤で沐浴する
- 保湿効果のモイスチャースプレーを使用する
- 脂肪分の多い食材やオイルを加えた食事に切り替える
- 被毛の脂性分を補う、コートコンディショナーをつかう
など色々とあります。
獣医師に皮膚の状態を確認してもらって、
適切なケアグッズを進めてもらいましょう。
自己判断はトラブルの原因にもなるので、獣医師に相談したほうが良いでしょう。
皮膚病の種類は?症状と原因
愛犬のお手入れをしていくうえで、皮膚病の知識は重要です。
犬の皮膚病にはさまざまな原因があり、
それぞれに犬はサインを出して皮膚病になっていることを訴えています。
飼い主はそれにいち早く気づき対処をしてあげることが大切です。
そこで、犬の皮膚病を種類別に病名・症状・原因などを詳しくご紹介しましょう。
細菌・真菌による皮膚病
この細菌や真菌により発生する皮膚病は、菌が繁殖して起こる病気です。
免疫力が低下することによる菌が繁殖するため、
免疫力を低下させないことが大切です。
この皮膚炎で感染する細菌の多くは、普段から皮膚に存在している常在菌です。
この細菌・真菌による皮膚病は、大きく2つに分けることができます。
膿皮症
元々皮膚に存在している細菌が免疫力が低下することによって繁殖し起こる病気と言われています。
サインは強いかゆみと赤い発疹ができる症状です。
かゆみのため掻きむしり、患部を悪化させることが多いです。
皮膚糸状菌症
いわゆるカビである真菌が繁殖して起こる感染症です。
サインは乾燥したフケが大量に発生する症状ですが、
円形脱毛症になることもあります。
この皮膚糸状菌性の症状ですが、
かゆみはほとんど無く皮膚を清潔に保つことが大切です。
寄生虫による皮膚病
ダニなど寄生虫による皮膚病で、感染した他の犬から移ることが多く、
治療は寄生する虫を死滅させることが必要です。
薬の投与や薬浴などで効果がみられます。
ツメダニ症
ツメダニの言うダニの感染から引き起こされる皮膚病で、
症状は分厚いふけが重なりかさぶたになります。強いかゆみを伴う皮膚病です。
疥癬
ヒゼンダニと言うダニが皮膚に浸入することで発症する皮膚病です。
症状は強いかゆみと、ふけやかさぶたできます。
特に皮膚の薄い部分に症状が出やすいと言われています。
ノミの寄生による皮膚病
体にノミが寄生し、かゆみや発疹を引き起こす皮膚病です。
このノミは犬や猫にも感染しますし、時には人間にも寄生しますので注意が必要です。
犬の皮膚からノミを発見したり、ノミが見つからない場合にも、
ノミの糞が大量に見つかる場合があります。
最近ではノミ寄生には、予防薬を使用して感染を防ぐことが可能になりました。
アレルギー性皮膚疾患
個々にアレルギーの元となる食べ物や、
植物・ハウスダスト・ダニなど特定の物質で起こるアレルギーは検査で確かめてみましょう!
アレルギー反応を起こすと、皮膚に赤みや発疹などが見られます。
大変痒みが強く掻きむしってしまうとそこから、2次感染を起こします。
アレルギーの元アレルゲンを特定することが大切です。
痒みが治まるまでは、かゆみ止めなどを使用して症状を抑えるようにしましょう。
接触性皮膚炎
良かれと思って洗濯に使用する洗剤ですが、皮膚に刺激の強いものがあります。
その他にシャンプー剤や草花、薬品など刺激が強いものが原因で、
かゆみや発疹を引き起こします。
アレルギー性皮膚炎の場合は、より強い症状が見られることがあります。
脂漏症や乾性脂漏症
脂漏症は主に皮脂が異常に分泌されるために起こる皮膚の異常で、
「ベタベタ肌」になってしまう症状が見られます。
皮脂の分泌は食生活の影響が大きく、
食事を管理することで改善されることが多いです。
また乾性脂漏症は、フケやかゆみの症状があり皮膚がカサカサ肌になります。
乾性脂漏は皮膚のバリア機能の低下が原因で、
二次的な細菌感染を注意する必要があります。
体質的な要因が大きいのですが、
冬場にファンヒーターの前で長時間過ごすなどで起こりやすくなります。
皮膚の保湿を心掛けて食事管理をすれば、次第に治まってきます。
その他の皮膚病
その他に数多くの皮膚のトラブルがありますが、その原因はさまざまです。
ストレスからくる皮膚炎もありますので、ふけやかゆみが起こるようであれば、
そのサインを見逃さずに、
早期発見早期治療で愛犬をつらい皮膚病から守りましょう。