犬の『腫瘍』の病気と予防、応急処置方法まとめ

 

黒色腫(メラノーマ)

症状

おもに口腔内や歯肉に黒っぽいカリフラワー状の腫瘍が見られます。

原因

歯石や歯周病が原因で腫瘍化したことが原因です。

特に小型犬のオスに多く発症する病気です。

治療・応急処置・予防方法

毎日の歯磨きと歯石を除去することである程度予防できます。

悪性度が高く、転移する可能性も高いため、早期に外科切除する必要があります。

 

皮脂腺腫

症状

皮膚がかさぶたのようなものでおおわれ、かゆみがあります。

また、単独、もしくは複数の脱毛が見られます。

皮膚表面はでこぼこしていて、増殖が強く、炎症や潰瘍をともないます。

原因

毛の根元に付属する皮脂を分泌する腺が腫瘍になった状態で、通常は良性です。

高齢犬や皮脂の分泌が多い犬種のオスに特に多い病気です。

治療・応急処置・予防方法

自然になおるケースが多いですが、局所再発も多いため、

広範囲の場合は切除する必要があります。

 

脂肪腫

症状

腹部、胸部、後足、腋の下によく発生し、大きな塊ができます。

通常は良性ですが、稀に脂肪肉腫という悪性の高い腫瘍があります。

原因

皮下脂肪や筋肉の中の脂肪組織が増殖することで腫瘍化します。

8歳以上の高齢犬や肥満の場合に多くみられ、メスの方が多い傾向にあります。

治療・応急処置・予防方法

良性なら無処置でも大丈夫ですが、念のため診察をうけます。

通常は切除すれば完治しますが、場合によって切除できない場合もあります。

 

肥満細胞腫

症状

四肢や会陰部、内臓に発生しやすく、皮膚が盛り上がり、大きめの発疹がみられます。

胃潰瘍や嘔吐、ショック症状などがあらわれ、かなり悪性度が高い腫瘍です。

原因

炎症の際にできる肥満細胞が無制限に増殖したものです。

切除しても再発しやすい病気となります。

治療・応急処置・予防方法

広範囲な切除手術やホウ砂線治療、化学療法が必要になります。

術後もリンパ節や臓器に転移していないか定期検診をする必要があります。

 

乳腺腫瘍

症状

5~7対ある乳腺部にしこりができ始め、胸、脇の下、下腹部、内股まで広がる、

乳腺のあちこちに腫瘍ができます。

良性腫瘍と悪性腫瘍の比率は50%です。

原因

犬の腫瘍でもっとも多い腫瘍でメスの腫瘍のうち半分は乳腺腫瘍です。

10歳前後に起こりやすい病気です。

治療・応急処置・予防方法

最初の発情までに避妊手術をすることで予防できます。

また定期的に愛犬の胸や腋の下などに小さなしこりがないかチェックします。

しこりが見つかったら診察をうけ、

進行段階によって、切除手術、放射線治療、抗がん剤治療、免疫療法などします。

また術後のリンパ節や肺など転移していないか定期検診も重要です。

 

リンパ腫

症状

徐々に発熱や元気がなくなり、いずれ死に至ります。

原因

全身のリンパ節(下あご、首、腋の下、鼠蹊部、膝の裏側)が腫れてくる悪性腫瘍です。

通常遺伝的なものや、他の腫瘍からの転移がほとんどの原因です。

治療・応急処置・予防方法

定期的に全身のリンパ節をさわり、しこりがないか確認しましょう。

しこりを見つけたら至急動物病院へいきます。

抗がん剤治療がメインの治療で、1年以上延命することができます。

 

骨肉腫

症状

足が腫れて痛そうにして、引きずるように歩きます。

大変悪性度が高く、転移の可能性も高い腫瘍です。

原因

大型犬に多い腫瘍で、おもに四肢に発生します。

治療・応急処置・予防方法

足を引きずる動作をみたら、即刻病院へいきます。

足を切るなど切除手術をしますが、生存率は低い病気になります。

 

脳腫瘍

症状

てんかん発作や歩き方がおかしくなる、身体を傾けていることがおおくなる、

一方方向にグルグル回り出す(左周りが特徴、時計まわりは痴呆症の可能性)、

顔面神経麻痺、意識がなくなり昏睡状態になったりします。

原因

どの部分に腫瘍ができたかによって症状が変わってきますが、

すでに症状が進んでから発見されるケースがおおいです。

治療・応急処置・予防方法

てんかん発作や動作に異変を感じたら即刻動物病院へいきます。

抗痙攣薬、コルチコステロイド投与で症状を抑えたり、

外科手術で腫瘍を取り除きます。

ただ、手術自体が難しいケースがあり、放射線治療や

抗がん剤などの治療で延命をはかります。

 

外性器、陰茎腫瘍

症状

陰部や陰茎に潰瘍性のカリフラワー状の腫瘍ができます。

原因

通常交配により発生することが多いです。

また肉腫がある犬の陰部に鼻で匂いを嗅ぐ行動などから移ることもあります。

衛生状態が悪いと特に起こりやすいです。

治療・応急処置・予防方法

不要な交配を避けることが予防になります。

治療は化学療法でおこないます。

 

大腸がん(大腸ポリープ)

症状

血便が続いたり、排便がしずらくなります。

悪性の場合は転移しやすい腫瘍になります。

原因

主に高齢犬のオスにみられやすい腫瘍で、50%で良性です。

治療・応急処置・予防方法

食生活を偏らせないこと、食物繊維をしっかりとることが重要です。

症状を確認したら、診察を受け、外科手術で取り除きます。

悪性の場合は転移を防ぐために抗がん剤治療をおこないます。

 



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