犬の『脳、神経系、心』の病気と予防、応急処置方法まとめ

 

水頭症

症状

斜視、けいれん、発作、運動障害、意識障害、視覚障害がおこります。

四肢を漕ぐようなしぐさをします。

原因

脳せき髄液が溜まって脳が圧迫されたことで障害がおこっている状態です。

先天的にチワワやペキニーズなど小型犬に多い病気です。

治療・応急処置・予防方法

緊急性が高いため、症状が出たら至急病院へいきます。

通常脳圧を下げる治療になりますが、予後不良のケースも多いです。

 

肝性脳症

症状

食後、急に調子が悪くなり、頭を壁に押し当てる、運動失調、

旋回運動、けいれん、昏睡などをおこします。

原因

血液中の毒素が脳にいき、侵されることで異常を起こしている状態です。

先天性の場合は、血管のつながりがおかしいために、

肝臓で毒素を処理されないまま脳に流れているケースがあります。

後天性の場合、肝炎などにより肝臓機能が低下することで、

毒素が処理しきれずに引き起こすことがあります。

治療・応急処置・予防方法

先天性なら血管を修復する外科手術、

肝機能の低下が原因なら、

肝機能改善のためのビタミン剤や糖分、タンパク質を補いながら、

強肝剤などの薬を投与します。

また食事療法も必要で、高栄養、良質なたんぱく、豊富なビタミンなど

を含んだ療養食などをあたえます。

 

てんかん

症状

よだれを流す、落ち着きがなくなる、うろうろするなどの初期症状があります。

進行すると、硬直や麻痺、発作を起こし、意識が3~5分ほどなくなることもあります。

原因

原因不明の突発性と、交通事故の後遺症や脳腫瘍でおこるものがあります。

脳が興奮状態になることで発症します。

治療・応急処置・予防方法

通常は薬で発作を抑えることができますが、長期服用には副作用があります。

発作感覚が6~8週程度になれば許容範囲とされますが、

勝手に投薬を中止すると再発の可能性が高いため、獣医師の指示に従います。

 

分離不安

症状

以下のような問題行動をおこします。

  • 人がいなくても吠え続ける
  • 部屋の中を荒らす
  • 飼い主の持ち物を壊す
  • トイレではない場所で排泄する
  • うろうろと落ち着かない

原因

高齢犬や飼い主への依存度が高い犬に見られる症状です。

飼い主が出かけると異常な不安を感じてしまう状態です。

治療・応急処置・予防方法

予防として、社会化を促すパピートレーニングをすることが重要です。

病院の治療では抗不安剤で不安を抑えるなどしますが、

根本的解決には行動治療をする必要があります。

  • 飼い主がいないことに慣れさせる。
  • 1人でおもしゃで遊べるようにする。
  • 外出直前に犬に声をかけない。
  • 帰宅時は静かになるまで犬を無視する。
  • 暴れていても決して叱らない
  • 一緒に遊ぶ時間をつくる

といったことを、専門家にも相談しながらおこないます。

 

強迫性神経症

症状

以下のような仕草や行動を繰り返しおこします。

  • 前足をなめつづける
  • 自分のしっぽを追いかけてグルグル回る
  • 何時間も前にむかって徘徊する
  • 虫をつかむような、空中を追いかける仕草をする

このほかにも不自然な行動を頻繁にします。

原因

犬が重度のストレスにより、不可解な行動をとる習性があります。

何らかの原因により強いストレスを感じている状態です。

治療・応急処置・予防方法

適度な運動やスキンシップ、ドックマッサージなど、

日頃からストレス解消に努めましょう。

症状が出たら、犬のストレスの原因の調査と解消が必要になります。

投薬治療では精神安定剤などがあります。

 

パニック障害

症状

雷や花火、クラクションなど大きな音や光により、

おもらしや嘔吐、震え、暗いところに隠れるなどのパニック症状がでます。

原因

母犬や兄弟犬と触れ合う、すりこみ期不足による精神の未熟さや、

何らかの経験がもとで、トラウマになっていることが原因です。

治療・応急処置・予防方法

重度の場合は精神安定剤を処方するケースもありますが、ほとんどが行動治療です。

  • パニック症状を起こしたら、横を向いて無視をする
  • 音や光が入ってこないように、寝床の位置や防音対策をする
  • パニックを引き起こす音を録音して、小さな音から聞かせて慣らしていく

などがあります。

 



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