ポメラニアンの去勢と避妊をする前に読むこと
わたしの愛犬は女の子ですが、避妊手術はしていません。
あまり考えたことはなかったのですが、
周りの飼い主さんを見ると、結構去勢や避妊手術を考えている方もいるようです。
良く吠えるクセを止めさせたり、気性を落ち着かせるために考えるようですが、
実際のところどうなのでしょうか?
今回はポメラニアンの去勢と避妊についてまとめてみました。
去勢手術のメリットとデメリット、効果のホントとウソ
去勢手術を考える場合、理由は色々あるかと思いますが、
やはり吠える、噛みつくなどの問題行動や気性を落ち着かせよう
という理由が多いように見えます。
ですが、本当に去勢手術でこうした問題は治るのでしょうか。
問題行動の本当の原因とは?
そもそも去勢すると気性が落ち着くという根拠は、副腎や性器官から分泌される
「テストステロン」が関係しているそうです。
このホルモンが多いから攻撃的になるということですが、
実はこれは推測に過ぎず、まだはっきりとしたことはわかっていないそうです。
確かに、去勢したことで落ち着いた行動をとる犬も確認はさせているようですが、
そもそも飼い主さんが悩む「吠える」「噛みつく」といった問題行動の原因を
勘違いしていることが多いようです。
こうした問題行動の多くは気性の荒さが原因ではなく、
すりこみ期や社会化不足が原因による『不安や恐れ』からくる行動です。
そのため、去勢をしたところでこれらの感情は治まりませんから、
以前として続くこともしばしばです。
問題行動の原因は、犬の問題行動をなおすには?原因と正しいしつけでも解説しています。
大事なのはこうした不安や恐怖心を無くすことですので、
去勢で治ることは期待しないほうがよいと思います。
私も問題行動に悩まされていた時期があるので、
どうしても直したいなら、プロのしつけ方法を試すのも1つの手です。
去勢手術のリスクとは?
去勢手術は麻酔手術によって行われるので、麻酔のリスクは避けられません。
小型犬ほど麻酔によるショック死の危険性は高まることは理解しておくべきです。
また去勢することでホルモンバランスが崩れ、太りやすくなる傾向にあるようです。
しっかりとした食事管理が重要になってきます。
じゃあ去勢手術のメリットって??
「それなら、去勢手術をするメリットはないのか」というとそうではありません。
去勢手術のメリットとして考えられるのが、
- 不要な交配を避けることができる
- 発情にともなう現象(興奮、逃走、食欲減退…)を避けることができる
- 性器菅の病気(精巣腫瘍、前立腺肥大…)などリスクが減る
です。
特に、性器菅に関する病気のリスクが減るのは嬉しいことだと思います。
(生殖器系の病気はこちらをご参照ください。)
避妊手術のメリットとデメリット、効果のホントとウソ
避妊手術の場合、不要な妊娠を避けるために考える方が多いようです。
確かに間違いありませんが、手術をする前にデメリットも理解しておくと良いと思います。
避妊手術後に攻撃性が増す犬も
メスに避妊手術をした後に攻撃性が増すケースが結構あるようです。
もともと攻撃的な性格だとさらに攻撃的になることも。
これは、「プロゲステロン」という精神を鎮静化するホルモンが減少したことが原因で、
イライラ感が誘発されるため、攻撃行動を起こすといわれています。
ポメラニアンの場合、凶暴な性格はほぼいないと思いますし、
(あ、強気なポメラニアンは沢山いますよ(汗))
前述したように問題行動の多くは「不安や恐れ」からくるものなので、
気性の荒さが原因ではありません。
そのため、攻撃性が増すことはあまり問題ではないかもしれませんが、
知識としていっておいたほうが良いでしょう。
もし愛犬の問題行動に悩まされているなら、
私が試した問題行動の直し方を参考にしてみてください。
避妊手術のリスクとは?
去勢手術と同様、麻酔によるリスクと、術後の傷口からの感染に注意が必要です。
避妊手術のメリットは??
リスクを踏まえたうえで、避妊手術のメリットをまとめると、
- 不要な妊娠を避けることができる
- 性器菅の病気(子宮蓄膿症、卵巣腫瘍、乳腺腫瘍)のリスクが減る
- ヒート(発情)時の出血や行動変化がなくなり、通年で安定する
といったものになります。
やはり病気へのリスクが減ることは大きいとおもいます。
私の愛犬も子宮蓄膿症という病気になり、腫瘍化もしました。
手術により無事なおったものの、
やはり子宮系の病気は決して関係ない話ではないと感じています。
(生殖器系の病気はこちらをご参照ください。)
問題行動を無くすためではなく、交配リスクと健康のためにおこなう
いままでお話ししたように、もし手術を『問題行動をなくすため』と考えているのであれば、
一度考え直す必要があるかもしれません。
手術により、なおる保証は一切ありません。
去勢と避妊手術で一番のメリットは、やはり病気のリスクが減ること、
そして不要な交配の心配がいらないことです。
そうした点を踏まえれば、愛犬に対しては決してダメなことではなく、
むしろ子犬の時期から考えたほうがよいです。
高齢犬になると、生殖器系の病気をわずらいやすい傾向にあるので、
獣医師さんと相談してみると良いとおもいます。
去勢と避妊手術の費用は?
さて、手術するといっても気になるのは費用だと思います。
動物医療は動物病院により治療費は異なるので、
統一された相場というものはありません。
ですが大体、去勢手術が1万~2万円、避妊は3~4万円くらいになります。