子犬のうちに!基本的なポメラニアンのしつけ方、8項目
ポメラニアンの子犬が遂にお家にやってきた!
いよいよ飼い主さんと一緒の生活が始まるわけですが、
互いにより良い生活をするためにしつけはかかせません。
そこで、ここでは子犬に覚えてほしい基本的な7項目のしつけをまとめてみました。
しつけはいつから?
犬は人間よりも4倍のスピードで歳を取っていくといわれています。
そのため、精神の基盤やモラルの良し悪しを学ぶ期間も早いのです。
では犬のしつけは何時からおこなうべきなのか?
答えは「生まれたときから」です。
母犬から学ぶ、すりこみ期の大切さ
生まれたときから、犬社会の常識を学び、次に人間社会を学びます。
犬社会の常識とは、犬の言語や他の犬との接し方などです。
こうしたものは人では教えることができないため、親兄弟犬が役目を果たします。
人と同様、特に母犬から教わっていくことがおおく、
精神の基礎もここで培っていきます。
この期間を「すりこみ期」と呼びますが、この期間が不十分だと、
成犬になったときの、問題行動や情緒不安定に繋がっていきます。
そのため、子犬選びの時は、
母兄弟犬とちゃんと接しさせている環境か、
そしてその期間は十分なのか(通常は4~7週齢が必要)を、
確認することを忘れないようにしましょう。
子犬を向かい入れたその日からしつけを開始すると心得よう
よく問題行動を取る犬の飼い主さんにあるのが、
「問題行動が目立ってきてからしつけを開始しようとする」
ことです。
子犬を向かいいれた日から数日は、嬉しさや可愛さから愛犬に好き勝手させてしまう、
ところが問題行動が目立ってきたので、
叱ったり、しつけようとしてしまうことです。
前述したように、生まれた時からしつけは始まっていて、
人間社会のモラルを学ぶのは、向かいいれた日からになります。
トイレのしつけ、食事のしつけ、噛むものの分別、人との接し方
人からの愛情、お留守番など、
全て必ず来たその日から一貫性をもっておこないましょう。
始めは自由だったのに、途中から厳しくし始めると
犬は理解できずにストレスがたまり、
さらに問題行動や情緒不安、最悪、精神疾患にもなりえます。
しつけの前にパピートレーニングを意識しておこなう
実はしつけをする前に、もっと重要なのがパピートレーニングです。
これは子犬の社会化を行うことを指します。
例えば、「どこを触っても嫌がらない」「他人や他犬が来ても吠えない」
「耳、口の掃除をしても嫌がらない」「騒音になれる」など、
社会生活をする上で必ず必要になる項目です。
これらは、これからあげる6項目以前に意識して行う必要があります。
これについてはパピートレーニングについてを参考にしてください。
しつけは生後5か月までに完了させると良い
人間と同じように犬にも年齢が若いと覚えられないこともあります。
とはいえ、ポメラニアンは利口な犬種ですので、
小さいうちからしつけを覚えることができると思います。
目安として基本的なしつけは生後5か月までに完了させると良いです。
トイレのしつけ
子犬がきたらまず行いたいしつけはトイレのしつけだと思います。
これに悩む飼い主さんも結構いますから、
始めからしっかりと行う必要があります。
これについては別途、子犬のトイレのしつけ方で取り上げているので、
参考にしてください。
イケナイ 悪い行為を覚えられるようにするしつけ
まず初めに行うしつけはこの「イケナイ」です。
犬には善意というものがわかりません。
この「イケナイ」を覚えることで、その行為が悪い事と判断できるようになります。
しつけ方
- 何か子犬が悪いことをしていたら、現行犯で叱ります。
- いろいろな言葉でいうのでなく、一言「イケナイ」だけいいます。
- 感情的でなく、怒っているという厳格さが伝わるようにしましょう。
- そのあとは気分転換のために、おもちゃなど与えてあげましょう。
大切なのは現行犯で叱ることです。
しばらく経ってから叱ってしまうと、犬はなぜ怒られているのか理解できず、
人間に対して神経質になり、恐れを作ってしまう原因になりかねません。
ヨーシ、ヨーシ 良いことを覚えてもらうためのしつけ
犬のしつけが上手な人は褒めることが上手だと言われています。
その後のしつけや芸などを覚えるための根幹になるので、覚えたい項目です。
これにより子犬は良い事の判断がつくようになります。
しつけ方
- 子犬がほめる行動をする直前または直後のタイミングを狙う
- 表情を和らげて、名前と「ヨーシ、ヨーシ」といってあげる
事ある機会ごとに、「ヨーシ、ヨーシ」を取り入れていきましょう。
ただし注意したいのがほめるタイミングです。
例えばおすわりをして、その後飼い主さんに飛びついた時にほめる
ことをすると、おすわりでなく飛びつくことでほめられると覚えていまいます。
アイコンタクト 飼い主と犬の信頼関係を築くしつけ
犬の行動制御のベースにあるのがこのアイコンタクトです。
名前を呼んだら飼い主さんを見るというものです。
犬が何かするときに飼い主さんに許可をとるクセ付や
興奮した時に落ち着かせるための手段になります。
しつけ方
- おやつかおもちゃを手にした状態で、子犬にニオイを嗅がせます。
- その手を自分のあごにもっていき、子犬が自然とこちらの顔を見るようにします。
- 目があった瞬間に、ワンちゃんの名前を呼んであげます。
- 名前を呼んだあとに、「いい子だね、ヨーシ、ヨーシ」と褒めてあげましょう。
- 子犬が自然とこちらを見るようになったら、誘惑が多い場所で練習してみましょう。
基本的に犬は信頼できる相手意外とは目をあわせることはありません。
このトレーニングは飼い主と犬の信頼関係にもつながります。
なお、名前を呼ぶとき振り向かないからといって怒鳴るのは絶対にやめましょう。
スワレ 犬を静止させる基本動作
スワレは犬を静止させるための基本動作になります。
食事前に待たせる時、信号待ち、クールダウンさせたときなど
様々なシーンで活用できるしつけになります。
しつけ方
- おやつを持った手のニオイを子犬に嗅がせます。
- ニオイを嗅ぐことに集中してきたら、その手を子犬より上にあげます。
- その手につられるように犬が上を見上げてきます。
- その動作に連動して、自然におすわりの姿勢をとります。
- 座るタイミングと同時に「スワレ」の号令と「ヨーシ、ヨーシ」と褒めてあげます。
これはおやつだけでなく、食事の時もできるので小まめにやりましょう。
ポイントは犬が座ったタイミングに合わせて「スワレ」と言ってあげること。
これによりこの動作をスワレと認識し、スワルと良いことがあると覚えてくれます。
フセ 長時間待つための基本動作
フセは犬が長時間待つときに使えるしつけです。
例えば、街中のカフェや行楽地、病院といった場所です。
短時間ならスワレでも十分ですが、犬の疲労も考えるとフセも覚えておきたいです。
しつけ方
- 子犬の正面から左ななめ前に、飼い主さんが座ります。
- 子犬をスワレの状態にします。
- 手におやつをもち、子犬の鼻先にもっていきニオイを嗅がせます。
- その手を子犬の前足の間の地面までおろします。
- 犬は手の動きにあわせて、フセの体勢になります。
- フセをした瞬間に「フセ」の号令と「ヨーシ、ヨーシ」と褒めてあげます。
こちらもスワレと同様にフセの姿勢をしたタイミングで号令を出すのがポイントです。
マテ 犬に我慢させることを教える基本動作
マテは犬が我慢を覚える基本動作になります。
食事前に飼い主さんがOKを出すまで我慢する。
街中でおとなしくまってほしいときに使うなど、様々な場所で使用できます。
しつけ方
- 子犬にスワレの姿勢をとらせます。
- おやつをもった手の犬に注目させます。
- ドアノックするように手を1回動かし、同時に「マテ」の号令を出します。
- そのまま手を自分のあごまで持っていき、子犬とアイコンタクトをとります。
- 始めのうちは3~5秒ほどアイコンタクトを取らせます。
- できたらおやつをあげて、「ヨーシ、ヨーシ」と褒めてあげます。
- この動作はもう一回おこないます。
マテの基本姿勢は飼い主とアイコンタクトを取っている状態になります。
アイコンタクトとスワレを事前に覚えてから、マテのしつけをはじめましょう。
以上が子犬のうちに覚えておきたい8つの項目です。
褒めるをうまく活用して、マナー犬に育てあげましょう!
犬社会の常識は人間社会の非常識と覚えておく
犬にとって、物をかじる、ほえる、掘る、噛むなどは習性であり自然の行動です。
そのため、良い悪いという判断はありませんし、
なにも教えていかなければ、当然そのままです。
そのため、
- どんな犬も始めは人間社会の常識など理解していない
- 飼い主がしっかりと丁寧に教えていく必要がある
ということを念頭に置いてほしいのです。
常識が違うものをあわせていくのは人間だって大変です。
でも愛犬は飼い主さんと生きていこうと必死で覚えていきますので、
是非、飼い主さんも心広く、丁寧に教えていきましょう。
しつけの基本は『褒めて』伸ばす!
愛犬をしつける前に前提として覚えておきたいのが、
叱るを中心でなく、褒めるを中心としてしつけをおこなっていくこと。
犬は飼い主さんに喜んでもらうことに幸せを感じる動物です。
だから、褒められれば「こうすれば飼い主さんが喜んでくれる」
と学習し、次も同じように振舞おうとします。
逆に褒めないものに関しては、
犬は無駄な行動は忘れていく習性があるので、しつけも忘れてしまいます。
もちろんおやつなどのご褒美も交えながら、褒めるを基本にしていきましょう。
叱るときは、直ぐに、短く、冷静に
もちろん、叱る必要があるときも出てくると思います。
そんな時に犬を情緒不安定にさせる飼い主さんの間違った行動が、
- 犬を現行犯でなく、あとから叱ってしまう
- 感情的に怒鳴りながら叱る
- 長くクドクドと叱り続ける
- 感情に任せて体罰をしてしまう
というものです。
これは犬がしつけを覚えないばかりか、トラウマになるケースもあります。
しつけるときの基本は
- 現行犯で直ぐに叱る。現行でなければ見逃す。
- 一言低い声でイケナイ!と叱るだけでOK。怒っているよと雰囲気が伝わることが大事
- 感情的になると犬も不安になる。冷静に叱ること。
- 体罰はトラウマになり、人嫌いになる可能性があるので絶対にしない。
と心得ておきましょう。
聴覚の特徴をしつけに利用しよう
犬が人間よりも聴覚が良いことは知られています。
このことをしつけに応用することができます。
褒めるとき | 高いトーンで赤ちゃんをあやすように話す。犬は心地よく感じるため、喜びを得やすい。 |
呼ぶ、合図をするとき | 明るい声ではっきりと話す。 |
叱る、いたずらを止めるとき | 短く、低い太い声で力強く「ダメ!」や「イケナイ!」と話す。一言で十分。 |
飼い主さんの情緒が愛犬にもうつる。だからいつも冷静に
犬は「まねる」ことで学習する動物であり、相手の、特に人の感情を読み取るプロフェッショナルです。
人の声の抑揚、目線の動き、体の動きといったものを鋭く観察しています。
そして感受性が豊かなので、人とコミュニケーションを取れる動物として有名なのです。
しかしこれは逆にいえば、飼い主さんが情緒不安定だと、
犬も不安になり自分も不安定になることを指しています。
「突然飼い主さんがヒステリーをおこしてきた」
「いつも不安そうで、おろおろしている」
「叱るのが感情的で暴力的」
などなど。
飼い主さんが情緒不安定なために、愛犬が問題行動をおこすケースも多いのです。
時には感情的になってしまうこともあるかもしれませんが、
心広く、余裕をもって愛犬の行動に対応していきましょう。
すると愛犬も安心して飼い主さんを信頼するようになります。
私達だって小さい頃は問題行動をしてきたはずです。
そんなとき、両親の温かい愛情があったからこそ、今があるのではないでしょうか。