犬がお手入れを受け入れてくれるために
ポメラニアンを美しく、健康に保つには被毛や歯、耳など、
日頃のお手入れが重要なのはご存知かと思います。
が、このお手入れは簡単にはいかないことが多く、大変苦労します(汗)
ほとんどの愛犬が何かしら嫌がったり、逃げたり、
時には噛んだりするのではないでしょうか?
かといって、ペットサロンなどに頻繁に頼むのは
お金もかかりますし、時間も、犬の体力も消費します。
できれば、家庭でもお手入れ(グルーミング)したいのではないでしょうか。
そこで素直にお手入れしてもらうためにどうすればよいか、まとめました。
なお具体的なお手入れ方法についてはこちらを参照してください。
できる限り早い時期から部位に触られるのを慣れさせる
グルーミングの前提は愛犬が身体に触られるのを嫌がらないことです。
ただ、犬は繊細な個所、目、歯、耳、しっぽ、肛門、爪や肉球など、
触れれるのを先天的に嫌がります。
なので、触れることに慣れさせてないと、当然嫌がる愛犬になってしまうのです。
もしまだ子犬の時期ならパピートレーニングなどを兼ねて、
スキンシップをしながら各部位に触れられることに慣れさせましょう。
すでにある程度成長している場合も、
あせらず時間をかけて徐々に触れていき、慣れさせる訓練をしていきます。
お手入れ(グルーミング)にするにあたって心得ておきたいこと
愛犬をスムーズにお手入れできるようにするには、
いくつか心得ておくと良いポイントがあります。
- 前述のように、各部位(目、耳、歯と歯茎、爪や肉球)など触られるのに慣れておく
- グルーミンググッズ(爪切、歯ブラシなど)を見せ、落ち着くようになるまで慣れさせる
- 触れる際やグルーミングの際は、終始優しい声でリラックスした雰囲気を作る
- 犬が暴れたり逃げるのをやめさせようと、無理やり固定したり、叱るのは逆効果
- 最初のうちは一度にやるのでなく、ちょっとずつグルーミングしていく
- グルーミングが終わったら、必ずおやつなどご褒美をあげて、良い体験を積ませる
- 力の加減は優しく、丁寧に
お手入れに慣れていく方法
ここからは各お手入れに慣れさせる方法をご紹介します。
番号順にステップをこなしていって、慣れるまで次の段階に進む必要はありません。
また必ずおとなしくしていったら、褒めること、ご褒美を上げることを心がけます。
ブラッシングに慣れさせる
ポメラニアンは毎日のブラッシングがとても重要なので、
最低限慣れさせておく必要がある項目です。
- 毛並にそって、頭からしっぽのつけ根までやさしくタッチして慣れさせる
- 直線的なタッチ意外に、円を描くタッチ(テリントンタッチ)に慣れさせる
- 毛をかき分け皮膚をチェックすることに慣れさせる
- ブラシやコーミングを見せて、過剰反応しなくなるまで慣れさせる
- ブラシやコーミングを肌にあててみて、静かにできるまで慣れさせる
↑テリントンタッチの参考動画
これから説明するお手入れすべての基本となるのが、全身タッチなので、
日頃から意識しておこないましょう。
全身タッチは血行促進による健康効果や、スキンシップからの信頼関係向上、
高齢犬なら老化の防止にもなります。
爪切や足裏の毛を切ることに慣れさせる
犬の肉球は神経が繊細なので、くすぐったくて触られるのを嫌がります。
- 肉球とは反対側の爪やつま先を優しく撫でて、触れることに慣れさせる
- 慣れてきたら、肉球をなでたり、ぷにぷにして撫でさせる
- 爪切りを見せるだけにして、過剰反応しなくなるまで、慣れさせる
- 爪切りを足先近くまでもっていくだけにして、慣れさせる
- 必ず後足から爪をひとつ切ってみて、慣れさせる
- 静かならそのまま爪切りを続け、嫌がるようなら直ぐにやめる
爪切は一度に行うのは難しいかもしれません。
まずは1つの爪、次に1つの足、慣れたら全部というように徐々に行うようにしたり、
一度にやるのでなく、毎日少しずつ行って日課にするのも良いでしょう。
耳掃除に慣れさせる
耳掃除をするには、耳に触れることに慣れさせるのが重要です。
前段階として、
- 日頃より耳の裏側を優しく触れて慣れさせる
- 慣れてきたら、耳を裏返すことをおこない慣れさせる
- 慣れてきたら、耳を根元から先端に軽く引っ張ることに慣れさせる
- さらに慣れたら、内部チェックに慣れさせる。
犬は耳の病気になる傾向が高く、日頃からチェックすることが予防になります。
また犬にとってはこる部分で、イヤーマッサージをすることで、健康促進にもなるので、
触れることに慣れておくと良いでしょう。
肛門周りの掃除に慣れさせる
ポメラニアンは毛が長いために、汚物などが毛に付着しやすい犬種です。
カットなどで短く刈ることが効果的ですが、
肛門腺絞りなども行う必要があるので、慣れさせると良いです。
- しっぽを優しくなでて、触れることに慣れさせる
- しっぽを持ち上げたり、左右に軽く動かすことに慣れさせる
- しっぽを根元から先端にそって、軽く動かしながら引っ張ることに慣れさせる
- 毛をかき分けて、肛門をチェックすることに慣れさせる
歯磨きに慣れさせる
もっとも犬が嫌がる行為が歯磨きです。
「しつけの最終段階」といわれるほど、飼い主さんとの信頼関係が重要で、
難易度は高めです。
- 頭をや顔を優しくなでて、触れられることに慣れさせる
- マズル(口の根元から鼻先)を軽く握り、おとなしくなるまで慣れさせる
- マズル上部を握り、上唇をめくり上げる行為に慣れさせる
- めくりあげたら数秒間維持してじっとできるよう慣れさせる
- 口を軽く開いて歯の状態をチェックすることに慣れさせる
全ての段階に慣れてきたら歯磨きスタートです。
焦らず徐々に各ステップを慣れさせ、褒めること、ご褒美をあげましょう。
犬の80%が歯周病といわれるほどで、歯の清潔は重要です。
歯の病気だけにとどまらず、他の臓器の病気の引き金にもなりうるので、
是非慣れさせることにチャレンジしたい項目です。
目や口の周りのお手入れに慣れさせる
犬は基本的に口の周りを触られることを嫌がります。
歯磨きをさせてくれない、目やになどを拭き取らせてくれない犬は多いと思います。
一番大切なことは、飼い主の優しい声掛けと気長に焦らずにゆっくりと進めていくことです。
普段のスキンシップから時々口周りや目の周りを触り慣れさせておくことも大切です。
- 鼻先のほうから耳に向かって円を書くようにマッサージする
- 唇の下に指を滑らせて歯茎を円を書くようにマッサージする
- ガーゼをあてて歯茎を円を書くようにマッサージする
- ガーゼをあてて歯茎を円を書くようにマッサージする
口まわりの手入れですが、最終的におとなしく歯磨きをさせることが目標です。
まずは口のまわりをマッサージしてみましょう。
鼻先のほうから耳に向かって円を書くようにマッサージしてみましょう。
おとなしくしているようであれば、唇の下に指を滑らせて歯茎を円を書くようにマッサージしましょう。
そっと唇をめくり指を入れて直に歯茎をマッサージできれば、
次にガーゼを使用し、歯ブラシを使用して歯磨きができるようになるまで、
徐々にステップアップしていくことが大切です。
必ず声を掛けながらを忘れずに行いましょう。
また、目の周りも同じようにマッサージから初めてみましょう。
蒸しタオルでマッサージするように拭き取ると良いでしょう。
うっとりとしておとなしく触らせてくれるようになれば成功です。
目の周りは無理をしてお手入れをすると、眼球を傷つけてしまうことにもなりかねません。
できれば、しっかりと抱いて固定するようにして行いましょう。
目の前にタオルなどを突然出すのでは驚いて暴れてしまいます。
顔の横からそっと近づけるようにしてお手入れすることを心掛けましょう。
お風呂嫌いの犬を慣れさせるためには
お風呂が嫌いな犬はたくさんいますが、何故お風呂が嫌いなのかを考えてみましょう。
それは、嫌な経験をしたことを覚えているからだを考えられます。
例えば、シャワーのお湯が目や耳に入って痛い思いをしたことがある。
ドライヤーの風が熱かったなど、お風呂嫌いの理由を回避してあげることが大切です。
シャワーを掛けるときには、お湯が顔に掛からないように注意してあげることも大切ですし、
シャワーの音を嫌がる場合は、
シャワーのヘッドを犬の体に密着しておくと怖がることが少なくなります。
ドライヤーの温度は充分注意をして適温でかけることと、
風が犬の顔に掛からないようにしてあげると嫌がることが少なくなります。
犬を安心させるためにも、
シャンプーもドライヤーも優しく声を掛けながら行うようにしましょう。