ポメラニアンの目・耳掃除、爪切り、肛門周囲のお手入れ

人間と違って犬は自分で身体のお手入れをすることがあまりできないので、

飼い主さんが定期的にしてあげる必要があります。

特に、目や耳、歯、爪、肛門周りの不衛生は病気の原因にもなるので、

お手入れはしっかりと行います。

 

プロにまかせるのも一つの手ですが、

ここでは家庭でお手入れする場合の方法をまとめました。

なおブラッシングはこちらを、シャンプーの仕方はこちらをご参照ください。

 

グルーミングを慣れさせるには子犬の時期から

よく爪を切ろうとすると甘噛みしたり、耳掃除をしようとすると顔をそむけたり、

お手入れを嫌がる犬が多いと聞きます。

基本的に犬は目や耳、肉球やしっぽといった部位は触られるのを嫌がります。

そのため、子犬の時期からこういった場所に触れる事、お手入れされること、

に慣れさせておくことが重要です。

詳しくは下記を参考にしてみてください。

 

目の周りのお手入れ

ポメラニアンは流涙症という病気になりやすい犬種です。

いわゆる涙やけで目の周りが茶色くなりやすいので、小まめにケアしてあげます。

まず愛犬の頭をなでるなどしてリラックスさせ、動かないよう首元を固定してからお手入れします。

コットンや脱脂綿を用意して、犬用目薬、アイローションなどを含ませて、

優しくふき取ってあげます。

ただし目やにはぬるま湯などでふやかしてから優しくぬぐって取りましょう。

また涙やけや目やにが多い場合は、病気が潜んでいることもあります。

こちらについてはポメラニアンの目ヤニ・涙やけの原因は?対策は?を参考にしてみてください。

 

目の手入れをと怠ると起こる危険

犬の目も人間と同じように、目やにが出ます。

濡らしたガーゼで目のまわりの汚れや目やにを取り除くようにしましょう。

ティッシュは繊維が荒いた目を傷つける恐れがありますし、

綿棒は犬が暴れた場合に危険ですので使用は避けるようにしましょう。

目の周りの被毛の手入れをせず伸ばし放題にしていると、

毛が眼に入り眼球を痛めたり、汚れが目に入ります。

小まめに目の周りの毛はカットするようにしましょう。

一般的に健康時の目やには透明乳白色ですが、濁った緑の目やには要注意です。

目やにの量が多い場合にも目の病気が考えられます。

 

耳のお手入れ

耳垢をふきとる

大体月に1~2回程度おこなうと良いです。

ポメラニアンは立ち耳なので、そこまで汚れやすい、通気性が悪い犬種ではないので、

頻繁に行う必要はありません。

デリケートな耳の中の掃除は、やりすぎた場合にも外耳炎になるので適度に行いましょう。

普段は臭いを確認して、違いを感じたら耳垢がある証拠です。

その場合、お手入れをしてあげます。

 

鉗子があるなら、コットンを巻いて、イヤーローションを染み込ませます。

ない場合は、指先にコットンやティッシュを巻きつけます。
片方で耳穴を開いて、片方で耳の内側皮膚表面を、内から外へふき取っていきます。

耳の中の皮膚は弱いため、ごしごし拭き取らず、優しくすることを心掛けてください。

また、あまり奥まで入れすぎないように注意します。

ごしごし拭き取ると傷つける恐れがあり、外耳炎などを引き起こすことも

耳周りの毛を切る

耳周りの毛が長すぎると、通気性が悪くなり、そこから耳の病気になることがあります。

長くなっていると感じたら切ってあげましょう。

必ず、刃先が丸いものを選んで、皮膚が傷つかないように注意します。

化粧用のはさみなどを使うと良いでしょう。

耳のお手入れ

お手入れしたのに臭いがどうしても残る、異臭がする場合

お手入れしたのに異臭が残ったり、普段と違う臭いがする場合、

耳の病気の可能性が高いです。直ぐに獣医師に診察してもらいましょう。

 

耳の手入れを怠ると起こる危険

犬の耳には立ち耳と垂れ耳があり、耳の手入れを入念にする必要があるのは垂れ耳です。

垂れ耳は通気性が悪く、湿った状態になりやすいため耳垢が溜まりやすくなります。

耳掃除を怠ると細菌が繁殖して外耳炎になってしまいます。

外耳炎を放置しておくと、中耳炎から内耳炎になり完治しにくい耳の病気を抱えてしまうことにもなりかねません。

月に一度イヤークリーナーで耳掃除をしてあげましょう。

 

犬の耳掃除の頻度は立ち耳であれば2週間に一度くらい、

垂れ耳の場合は1週間に一度くらいの割合で行いましょう。

デリケートな耳の中の掃除は、やりすぎた場合にも外耳炎になるので適度に行いましょう。

耳の異常を確認するには、

黒くてボロボロした耳垢がないか?できものができていたり赤く腫れていないか?

いつもと違う臭いがしないか?などをチェックしてみましょう。

異常がある場合は、速やかに病院で診てもらうことをオススメします。

 

爪と足裏のお手入れ

爪が長いと、ひっかかって折れやすくなったり、滑りやすくなるので、

思わぬ怪我をする可能もあります。

人間と同様に伸びてきたら切るように心がけましょう。

足の裏表面と同じ位置まで伸びていたら、伸び過ぎている状態です。

  1. 爪の根元と肉球を指で押さえて、爪全体が見えるようにする。
  2. 爪の中にある血管の位置(ピンク色)を確認する。(ポメラニアンは白爪なので、確認しやすい)
  3. 愛犬がびっくりするので、必ず後足から切り始める。
  4. 血管を切らないように、ピンク色からその上数ミリを必ず残して切る。
  5. 切り終わったら足裏の毛をバリカンなどで、短くカットします。

黒爪の場合、先から少しずつ切り取っていき、ゼリー状のようなものが出てきたら血管が近いので切るのをやめておきます。

愛犬が嫌がる場合、自分の体と腕で愛犬の頭を挟み込むようにして安定させます。

犬の爪切りはギロチン式と呼ばれるもので、

爪切りをしたら最後のしあげにやすりで爪の先をなめらかにしてあげましょう。

室内犬の場合、フローリングなどを歩くときに爪の音が大きくなると爪が伸びているので、

爪切りをおこないますが、犬の爪に血管が通っていますので切りすぎには充分注意!

血管を切ってしまうと大量に出血します。

止血剤を準備しておくようにしましょう。

 

また犬の足裏には肉球がありますが、この肉球の手入れも必要です。

肉球はクッションのような役割を果たしており歩いているときや、

高い所から飛び降りた衝撃から足の骨や関節などを守っています。

肉球の手入れを怠ると乾燥してひび割れを起こします。

肉球クリームをつけてひび割れによるトラブルを避けるようにしましょう。

 

爪の伸びすぎと足裏の危険

犬の足の爪が伸びすぎると、歩くのが困難になります。

肉球や皮膚に食い込んだりすることもあります。

また伸びすぎた爪はカギ型に湾曲するため、

カーペットなどに引っ掛かり折れてしまうこともあり危険です。

爪が伸びた時には爪切りを行いましょう。

 

肉球表面は丈夫にできていますが、

直接地面に触れる場所のため怪我もしやすく治りも遅い部分です。

肉球の間に生えている被毛も長くなると、

フローリングなどで滑りやすく危険ですので、

肉球の間から長く伸びて来る前にカットばさみでカットしてあげましょう。

 

肛門周りのお手入れ

長毛種のポメラニアンは排尿時に汚物が毛にくっつきやすい犬種です。

肛門周りの病気皮膚の病気を予防するために、毛をカットしておくと効果的です。

繊細な部分なので、傷つけないように注意します。

バリカンがあるなら、バリカンを寝かせて肛門の中心から外側に向かってかけていきます。

ハサミの場合も刃先が肛門の外側に向くように、寝かせてカットしていきます。

 

肛門絞りの進め方

犬の可愛いお尻には肛門の両側に肛門腺と呼ばれる臭腺があります。

肛門腺の病気を予防するためにも、定期的に肛門腺を絞ってあげることが必要です。

頻度としては、月に1度くらいが目安です。

肛門絞りですが最初は難しいと思いますが、コツさえ掴めば、

お家でも簡単に肛門絞りをすることができます。

お尻の穴の下側に2か所分泌液が出て来る場所があります。

そのすぐ下に肛門嚢がありコロコロした硬い感触が分かると思います。

肛門腺の袋を軽くつかんでみましょう。

親指と人差し指でグッと圧力を掛けながら下から上へ押し上げるようにして絞り出しましょう。

この分泌液ですが、かなり独特なニオイを放つため、

できればシャンプー時に行うようにすると良いでしょう。

可愛い愛犬がお尻のトラブルを起こさないように、

日々のケアを忘れずに行いましょう。

 

肛門絞りを放置しているとどうなるのか?

肛門腺に溜まった分泌液を排出するためには、

通常はお尻の筋肉である肛門括約筋を使用します。

大型犬やお尻周りの筋肉が発達している犬は、排便時に自分で肛門嚢を圧迫して分泌液を排出しています。

しかしながら、肥満体型であったり、ポメラニアンのような小型犬、

高齢犬の場合自力で排出は難しいので、

人の手を借りて排出する必要があります。

 

では、この肛門嚢に分泌液が溜まった状態で放置していると、

どのようなことが起こるのでしょうか?

お尻をズリズリと地面にこすりつけたり、

自分自身のしっぽを追いかけたりと、犬自身も何かおかしいと感じだします。

異常にしっぽやお尻周辺を気にしだしたら要注意です。

そのままにしておくと肛門腺に溜まった分泌液に細菌が繁殖し炎症を起こします。

肛門周りの皮膚が赤くただれたり荒れ始めることで、発見できます。

炎症がひどくなると、肛門付近が腫れて痛みが伴います。

発熱があったり食欲がなくなる犬もいます。悪化すると、

肛門嚢に分泌液が溜まってしまい、最悪の場合肛門嚢が破裂することがあります。

 



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