高齢犬のシャンプーの仕方
犬にとってお風呂などでシャンプーすることは体力を消耗し、
身体に負担をかける行動になります。
だからといって、身体を洗わないと不衛生になり皮膚病などの原因にもなるので、
高齢犬に適したシャンプーをする配慮をすると良いです。
そこで、特に配慮すべきポイントをまとめました。
ただし、下記に該当する場合はお風呂場でシャンプーしないほうがよいので、
該当しません。
- 愛犬が寝込んでいる、寝たきりである
- 愛犬が心臓病など体に負担をかけないほうがよい状態
特に心臓病の場合、シャンプーだけで一大事になることもあります。
獣医師に相談しましょう。
上記に該当する場合は、病気や寝たきりになった愛犬のお風呂の入れ方をご参照ください。
適度に換気をしながらおこなう
まず重要なのはお風呂場などでの湿度です。
犬は湿度が高いと人間よりも呼吸が困難になり、負担がかかります。
特にシャンプー中は湿度が上がりやすいため、
適度に換気をおこないながら進めましょう。
循環器系疾患がある場合は特に注意
湿度、特にお風呂場の蒸気に関して循環器系疾患がある愛犬なら、
蒸気を吸い込むことで刺激になり激しくせき込んでしまうことがあります。
その場合はシャワーは使用せず、くみ置き洗いがベストです。
浴槽やたらいなどにあらかじめお湯を張っておき、
桶などでくみ取りながら愛犬にお湯をかけていきます。
シャンプーなどは直接つけるのでなく、
お湯に溶かしてから使うとよいでしょう。
この方法なら蒸気が出にくく循環器系疾患がある子も安心です。
滑らない配慮を
高齢になると筋力低下から踏ん張る力が弱くなります。
特にお風呂場は濡れたり、シャンプーなどで滑りやすいので、
バスマットやヨガマット、厚手のタオルをひいて滑り難くしましょう。
お風呂場を上がって乾かすときも、タオルがあると良いです。
短時間を心掛ける
シニアになると体力の低下から風邪をひきやすいので、
手早く洗って、手早く乾かしてあげる良いでしょう。
愛犬をお風呂場に入れるまえに、シャンプーなどはお湯で薄めておき、
必要な道具も素早く使用できるように予め準備しておきます。
シャワーヘッドは放して使わない
高齢犬に限らず愛犬をシャワーするときの基本ですが、
人と同じようにシャワーヘッドを身体から離して使うのは良くありません。
愛犬が音が気になったり、はじかれたお湯が嫌な部分にかかったりなどして、
振り払おうと動いて身体に負担がかかります。
精神的にも負担がかかりよくありません。
シャワーヘッド部分を手に包み込むように持ち、
なるべき皮膚に近づけて使うのが基本です。
身体を支えながら洗う
身体が濡れると普段以上の重さが愛犬にかかるため、より踏ん張る必要があります。
しかし筋力が低下しているためワンちゃんにとっては辛いことです。
転ばないようにお腹などを片手で支えながら洗ってあげましょう。
顔周りは必ずしもシャンプーする必要はない
犬の顔周りをシャンプーする際は、高齢でなくても配慮が必要ですが、
高齢犬の場合、必ずしもシャンプーする必要はありません。
というのも気管支が弱くなっているため、
少しのお湯でも気管に入ってしまう可能性があるからです。
顔周りはかるく絞った濡れタオルなどで拭いて洗ってあげます。
立っていられない場合はタライ洗いをする
中にはお風呂場で立っていなれないワンちゃんもいると思います。
その場合はタライにワンちゃんをいれて洗ってあげると良いでしょう。
- 身体のサイズにあったタライを準備しておく
- 予めタライのなかにはシャンプー入りのお湯を準備する
- 愛犬にはオスワリや横になった姿勢でいてもらう
- タライが滑らないように、床にはタオルなどを敷く
赤ちゃん用のバスタブには底に排水栓がついているものがあります。すすぎに便利なので使用してみると良いです。
お風呂場と外の温度差に注意を
お風呂から出る際に注意したいのが、温度差です。
温度差は身体への負担になりますし、風邪もひきやすくなります。
お風呂は温かくなるので、外もできる限り寒くならないようにしましょう。
暖房器具などで温めておいても良いですし、(温め過ぎはだめ)
寒い日などは、日中などまだ温かい日にシャンプーすると良いでしょう。
皮膚疾患がある場合
もし愛犬にかゆみの伴う皮膚疾患があるなど、皮膚が弱い場合はさらに温度を下げる必要があります。
温かすぎると血行が良くなることで皮膚疾患部分のかゆみが発生してしまうからです。
かゆいため愛犬は思わずかいてしまうので、悪化を招きかねません。
温度は24~26℃の皮膚温度と同じ設定にしましょう。
素早く、しっかりと乾かしてあげる
お風呂をあがったら、できる限り早く乾かしてあげましょう。
体力低下で風邪をひきやすくなっているので、濡れているとまずいからです。
ただし、ドライヤーの当てすぎは皮膚にもこたえるので、
タオルなどでしっかりと拭いた後に、全体的にドライヤーをかけましょう。
その際、立たせている必要もないので、座らせたり、寝た状態でも良いです。
タオルは最近登場している吸水性の高いタオルであれば、
こする必要もなく、愛犬の身体に負担をかけずに素早くふき取ることが可能です。
辛そうなら無理にシャンプーしなくてもよい
以上がシニア犬で注意したいポイントですが、
愛犬が辛そうなら無理にお風呂でシャンプーをする必要はありません。
頻度は少なくてもかまいませんし、
拭いてあげたり、ドライシャンプーなどの方法もあるので、
獣医師に相談してみましょう。
ドライシャンプーをする場合
愛犬がお風呂が難しい場合は、ドライシャンプー(ウォーターレスシャンプー)を使うのが良いでしょう。
まず愛犬の下に柔らかいタオルなどを敷いて寝かせます。
そしてドライシャンプーを小さめのタオルなどに染み込ませます。
あとは汚れの気になる部分を優しくふいてあげてください。
特に生殖器や肛門付近は汚れが多くなりますので、念入りに。
ポイントとしては、ドライシャンプーは低刺激なものを選ぶこと、
シャンプーをつけすぎないこと、ごしごしふかないことです。
特にシャンプーが多いと直ぐに乾かず、愛犬の体温低下を招きます。