ポメラニアンのブラッシングでいつも美しい被毛を!
ポメラニアンの特徴のひとつといえば、あのふさふさの美しい被毛ですね。
さわり心地も最高で、いつまでも撫でてしまいます。
(たまに迷惑そうな顔をしていますが、それはおいておきましょう。)
ですが、ふさふさでしなやかな分、非常に繊細で、
ブラッシングをしないと、美しい被毛でなくなったり、毛玉ができたりします。
ここではポメラニアンのブラッシングをどのように行うのかまとめました。
ブラッシングにはどんな効果が?
人間にはブラッシングという習慣はないので、あまりピンとこない方もいるかもしれません。
前述したように美しい被毛を維持するのに重要ですが、それ以外にもあります。
- 毛の汚れをおとし、抜け毛やほこりを取る
- 皮膚の新陳代謝を促す
- 皮膚と筋肉の血行をよくする
- 皮膚病を予防する
- 愛犬の身体異常を発見できる
- 飼い主さんとのコミュニケーション
毛の汚れをおとし、抜け毛やほこりを取る
とくに病気予防の効果は大きいと言えます。
ポメラニアンはダブルコートのため毛の量も大変豊富です。
そのため上毛だけを適当にブラッシングしていると、
下毛がもつれ毛玉ができやすくなってしまいます。
毛玉は、ほこりや汚れなどがいっしょに絡まるため、皮膚病の原因ともなります。
そのため毛玉にならないようにしてあげる必要があります。
ポメラニアンは長毛種にあたり、ブラシはスリッカーならびにピンブラシで丁寧にとかします。
長い上毛と密集した下毛があるポメラニアンは、
下毛の抜け毛をしっかりと取り除きます。
この下毛の抜け毛をブラッシングする場合、
毛をかき分けて毛の根元から梳かしてあげることがポイントです。
皮膚の新陳代謝を促す
ブラッシングは、マッサージ効果があり血行が良くなることで、
ポメラニアンの皮膚の新陳代謝を促します。
新陳代謝とは、細胞の活動により新しい皮膚が古い皮膚と入れ替わるサイクルのことを言います。
新陳代謝を促すことにより免疫力を上げることにも繋がります。
皮膚と筋肉の血行をよくする
ブラッシングはマッサージ効果で血行を良くするばかりでなく、
筋肉のコリをほぐす効果もあります。ブラッシングを怠けると、
抜け毛が付着したままになり、それがイボや皮膚病の原因になることがあります。
犬が一番コリを感じている部分が、首だと言われています。
犬の首の筋肉は細い筋肉といくつかの太い筋肉で出来ていて、
いつも同じ姿勢でいると犬も人間同様にコリを感じます。
ポメラニアンの全身をブラッシングしていく中で、首の筋肉をほぐしてあげましょう。
皮膚病を予防する
ブラッシングを行わず放置している状態であれば、
抜け毛や汚れなどで皮膚の状態が悪くなります。
皮膚の状態が悪くなると、かゆみがあったりすることで、
舐めたり噛んだりするので余計に皮膚を悪化させます。
毛に付着している汚れや埃・細菌やダニに至るまでブラッシングで落とすことが皮膚病予防に繋がります。
またブラッシングで皮膚の風通しを良くすることで皮膚病を予防することになります。
愛犬の身体異常を発見できる
気持ちの良いはずのブラッシングを痛がる場合、
身体に異常が起こっている場合があります。
たとえば、毛玉が発生している部分をブラッシングすると、
毛の根っこ部分引っ張られることで、
皮膚も引っ張られて痛みが発生することがあります。
毛玉を無理にブラッシングした場合、皮膚が毛に巻き込まれ裂けるなどのトラブルを起こすこともあります。
その場合、傷口から細菌に感染すれば皮膚が炎症を起こすことも考えられます。
ブラッシングで痛い思いをすると、
ブラッシング=痛いものと覚えてしまい、
ブラッシングを行うたびに噛みついたり暴れたりすることになります。
ブラッシングの仕方を見直して、
痛みの原因を発見してあげることが大切です。
飼い主さんとのコミュニケーション
ブラッシングをすれば血行が良くなり毛艶よくなりますが、
その他の効果として、
日頃ポメラニアンを構えない飼い主さんとのコミュニケーションになります。
毎日のブラッシングは愛犬の身体の些細なことまで知ることができて、
肥満体型やしこりができているなどを早期に発見することができます。
また、愛犬と接する時間が増えるため、かまってもらえると言う満足感を与えることができます。
そして世話してもらえることで、飼い主を信頼することに繋がるのです。
家庭の場合ブラッシング前にコーミングをする
毛玉ができやすいポメラニアンを家庭でブラッシングする場合、
ブラッシングに前にコーミングをするのがおススメです。
コーミングとはクシをつかって毛並みを整え、もつれをほぐし死毛を取り除くことです。
プロはブラッシングしてコーミングしますが、
家庭のブラッシングではやり方や力の入れ方が間違って、
毛のほつれにブラシがひっかかり、毛を傷めるかもしれません。
いきなりブラッシングに入ると、毛がひっかかったり、毛並を整えにくいわけです。
あらかじめコーミングで毛玉やほつれを確認して、
事前に毛玉などを取り除くことで、スムーズにブラッシングできます。
ここで大事なのは、無理にもつれ毛を引っ張ると毛が切れる原因になります。
毛がからまったら、根元を持ち、指で丁寧にほぐしていきましょう。
どうしても毛玉を取るのが難しい場合は、市販のスプレーなどを使うと効果的です。
ブラシの種類は?
ブラッシングを行う前にポメラニアンの毛質について理解しておくことが大切です。
そもそもポメラニアンの毛質は、
ダブルコートと言われているトップコートとアンダーコートと言う2層でできています。
トップコートはまっすぐでダメージを防ぎ、
アンダーコートは柔らかく綿毛のような毛質で寒さを防ぎます。
やわらかく細い毛質のためポメラニアンの被毛のお手入れは少し大変であると言うことを、
飼い主は心得ておきましょう。
大変からまりやく、もつれたり毛玉ができたりお手入れを少しさぼるだけで、美しい被毛が損なわれます。
そのためマメなお手入れと、被毛にあったブラシを使用してブラッシングを行うことがとても大切です。
トリミングサロンでは、ポメラニアンのブラッシングにコームとスリッカーブラシを使用します。
スリッカーブラシは毛のもつれや毛玉をほぐす時に使用します。
このスリッカーブラシには金属性のハードタイプとソフトタイプのものがあります。
地肌を傷つける恐れのあるハードタイプは使用せずに、ソフトタイプを使用する場合でも、
あまり力を加えずにブラッシングを行うようにしましょう。
鉛筆を持つように優しく持ってほぐすようにブラッシングするのがコツです。
ピンの先が直接地肌に当たらないようにしましょう。
スリッカーブラシだけでも抜け毛がとれますが、
気になる部分はコームでもブラッシングをしましょう。
日頃から、毛玉やもつれにこまめにブラッシングを行うことが肝心ですね。
ポメラニアンの毛玉ができやすい部分とは、身体が擦れることが多い部分です。
特に耳の後ろ部分や、前足の腋下ができやすく、
他には後ろ足の内股やお尻・しっぽ部分にできやすいです。
出来てしまった毛玉は取りたいものですが、取る作業にかかる前にできた毛玉をじっくりと観察してみてください。
固くフェルト上になっている場合、取り除くのは無理だと考えましょう。
毛玉がきつい場合、はさみでフェルト状になっている毛玉を一個一個取り除く作業を行います。
皮膚の側にできている毛玉にはさみを入れるときは充分注意が必要です。
毛玉を切った後に手でほぐせる程度であれば、優しくほぐしていきましょう。
ブラッシングの仕方
- ブラシ面を皮膚に垂直に当てます。
- 根元から毛先に向けてゆっくりと動かします。
- このときのブラシの方向は、まず毛の流れとは逆に、下から上へと撫であげていきます。
- 次にその毛を戻すように上から下へとかします。
- 最後にもう一度コーミングして、毛玉やほつれを確認しましょう。
ポメラニアンの場合、毛玉は耳の後ろ、胸元の毛、お尻周りは特に起きやすいので
丹念にブラッシングしてあげましょう。
ポメラニアンの抜け毛が多い季節とは
ポメラニアンは抜け毛が多い印象ですが、
その抜け毛の多い換毛期とはどの時期をいうのでしょうか?
ポメラニアンの毛には夏毛と冬毛があります。
9月ごろには夏毛から冬毛に生え変わり、春の3月頃には冬毛から夏毛に生え変わることが多いです。
この換毛期には、抜け毛を取り除く為にも、特に小まめなブラッシングが必要です。
ポメラニアンの被毛は湿気に弱い
特に梅雨や夏場~秋の時期は、非常に湿気が高いため、毛ぶきが悪くなります。
被毛についた湿気を飛ばすつもりで、ドライヤーで身体を一巡めぐりあてましょう。
ただし頻繁にやったり、長時間行うと、皮膚を傷める可能性もあるので、
被毛の状態を見ながら実施します。
冬場は静電気対策を
冬になると今度は乾燥して、被毛に静電気がおこりやすくなります。
静電気がおこると、ほこりがついたり、毛玉や切れ毛、フケの原因になります。
ブラッシングすることはもちろんのこと、場合によって、
静電気防止スプレーやコートコンディショナー、オイルを使いながらブラッシングしましょう。
ブラッシングはどのくらいの頻度でおこなう?
できれば毎日、最低でも週3回はおこないたいものです。
軽いブラッシングを毎日し、週3回ほどは丁寧にするだけでも効果があります。
また、外の散歩から帰ってきたときは、ほこりを落とす意味でも軽くブラッシングします。
ブラッシングを嫌がってしまう場合は?
犬はブラッシングが好きかというと、最初はそうでない犬が多いです。
特に耳の後ろや肉球、しっぽなどは先天的に触られることを嫌がることが多いでしょう。
嫌がることを防止するには、子犬の無駄吠え、噛みクセ、夜泣きを無くすためのトレーニング
でも記載したように、子犬の時期から慣れさせるのが一番です。
しかしすでに成犬で嫌がる場合は、短時間で少しづつ切り上げて、
徐々に慣れさせていきましょう。大人しくしていたら、ご褒美をあげても良いです。
その場合は、お手入れを受け入れてくれるためにを参考にしてみてください。
もし安定した安全で高いところがあるのであれば、
そこにあげるとブラッシングしやすくなります。
毛並みを良くする栄養素
良い毛並みを維持するには栄養状態を良くすることも大切です。
特に毛艶が悪くなる理由として毎日の食生活があります。
犬の皮膚や被毛は、たんぱく質と脂質からできており、
毎日食べているフードのたんぱく質と脂質の質の良さが毛並みを美しくしてくれると考えましょう。
そのためには、植物性たんぱく質ではなく動物性たんぱく質のものを食べさせてあげることが必要です。
しかしながら市販の安価なドッグフードは穀物類が主原料となっているものが多いため、
食べ続けていると栄養状態が悪くなり、毛艶も悪くなってきます。
穀物メインのフードから、動物性たんぱく質がメインの良質なドッグフードに切り替えるだけで、
毛並みが良くなり、健康状態も良くなると考えましょう。