犬の認知症(ボケ)の症状とチェック方法
犬の老化現象は以前の記事でお話ししましたが、
それに伴って犬にも痴呆症というものがあります。
認知症(痴呆症、ボケ)になる犬は、大体10歳くらいからなり始めます。
いわゆるボケることですが、いったいどのような感じになるのでしょうか?
私のポメさんはおかげさまで今のところありませんが、
やっぱりボケてほしくないのは誰でも思うことだと思います。
ここでは認知症の症状と愛犬のチェック方法をまとめました。
認知症の症状の特徴
まずは認知症の特徴です。
単なる老化と違って、ちょっと不可解な行動をとるようになります。
- 名前を呼んでも反応しない。
- 食欲が以上に増すのに、下痢もぜず、やせてくる。
- 夜中に意味もなく単調な声で泣き出し、止めても泣き止まない
- 狭いところに入りたがり、後退できず自力で出られなくなる。
- 円の描くように『時計回り』で一定方向にぐるぐる回る。(反時計周りは脳腫瘍の可能性)
- 昼夜が逆転し、昼は寝ているのに、夜はずっと起きている。
上記の項目のうち、2つ以上当てはまる場合は認知症の可能性が高くなります。
愛犬の認知症チェック
動物MEリサーチセンターが配達した、認知症のチェック方法があります。
こちらを参考に愛犬が老化なのか、認知症の疑いがあるのか判断に役にたつでしょう。
チェック方法
該当する項目の点数を合算していきます。
- 合計点30点以下・・・普通の老化
- 合計点31~49点以下・・・認知症予備軍
- 合計点51点以上・・・認知症
食欲と下痢について
- 正常である・・・1点
- 異常に食べるが下痢もする・・・2点
- 異常に食べ、下痢はしたりしなかったりする・・・5点
- 異常に食べるが、ほとんど下痢をしない・・・7点
- 異常に食べ、下痢もまったくしない・・・9点
生活リズム
- 昼は起きて、夜は寝ている・・・1点
- 昼の動きが少なくなり、昼も夜も寝る・・・2点
- 昼も夜も寝ている・・・3点
- 昼は食事以外寝ていて、夜中に突然動き回るが制止させることはできる・・・4点
- 昼は食事以外寝ていて、夜中に突然動き回ることを制止させることができない・・・5点
後退行動や方向転換
- 正常にできる・・・1点
- 狭いところに入りたがり、進めなくなるとなんとか後退できる・・・2点
- 狭いところに入ると、まったく後退できない・・・6点
- 後退はできず、直角コーナーでも転換できない・・・15点
歩行状態
- 正常・・・1点
- 一定方向にふらふら歩き、不正運動になる・・・3点
- 一定方向にのみ、大円運動歩きになる・・・5点
- 頻繁に旋回運動(小円運動)をする・・・7点
- 頻繁に自分中心の旋回運動をする・・・9点
排泄
- 正常・・・1点
- 排泄場所をときどき間違える・・・2点
- ところ構わず排泄する・・・3点
- 失禁する・・・4点
- 寝ていても排泄してしまう・・・5点
視力、聴力、臭覚
- 正常・・・1点
- 視力が低下し、耳も遠くなっている・・・2点
- 視力、張力が明らかに低下して、何でも鼻で確認する・・・3点
- 聴力がほとんど消失し、臭いを異常かつ頻繁に確認する・・・4点
- 臭覚のみが異常に過敏になっている・・・6点
姿勢
- 正常・・・1点
- しっぽと頭部が下がっているが、正常な起立姿勢はとれる・・・2点
- しっぽと頭部が下がっていて、起立姿勢のバランスが悪い・・・3点
- 持続的にボーっと起立していることがある・・・5点
- 異常な姿勢で寝ていることがある・・・7点
鳴き声
- 正常・・・1点
- 鳴き声が単調になる・・・3点
- 鳴き声が単調で、大きな声を出す・・・7点
- 真夜中から明け方の定まった時間に突然鳴くが制止は可能・・・8点
- 真夜中から明け方の定まった時間に突然鳴き、制止が不可能・・・17点
周りへの反応
- 正常・・・1点
- 他人や動物に対してなんとなく反応が鈍い・・・3点
- 他人や動物に対して反応しない・・・5点
- 他人や動物に対して反応せず、飼い主の反応もかろうじてする・・・10点
- 他人や動物、飼い主に対してまったく反応しない・・・15点
習慣行動
- 正常・・・1点
- 学習した行動や習慣が一過性に消失する・・・3点
- 学習した行動や習慣が部分的に持続的に消失している・・・6点
- 学習した行動や習慣が部分的にほぼ消失している・・・10点
- 学習した行動や習慣が部分的にすべて消失している・・・12点
認知症の予防や改善のためには
チェック項目で愛犬が該当した場合は認知症の改善を、
該当していなくても予防方法はどうなのか気になるところではないでしょうか。
残念ながら認知症を完全に予防・改善する方法はまだ確立されていません。
ですが飼い主さんの接し方や食事の与え方次第では、
認知症リスクを減らしたり、進行を抑止することができます。
こちらに関しては愛犬がボケないために!認知症の予防対策を参考にしてみてください。
前庭疾患にも注意!
あまり知られていませんが、認知症とにた症状で異なる病気に、
前庭疾患というものがあります。
認知症疾患をチェックするうえでは、あわせて前庭疾患も注意をしましょう。
前庭疾患とは?
内耳にある身体の平衡感覚をコントロールする器官で、
第Ⅷ脳神経を介して、延髄に達し、さらに小脳へと信号が伝わります。
前庭疾患とはこの信号伝達経路のうち、
どこかが損傷することで、ちゃんとした信号が伝わらない疾患をさします。
前庭疾患の症状は?
認知症と似た症状を示す場合があります。
例えば食事や水を飲もうと、愛犬が頭を下げるとそのままぐるぐる回ってしまう症状です。
認知症でもぐるぐる回りますが、前庭疾患でも現れます。
違いを判断するには、その他の症状にも注目しましょう。
前庭疾患の症状では、食事や水を飲む際に転倒してしまう、
嘔吐やよだれが止まらない、首や体を病変部に傾斜するといった症状がみられます。
こうした違いを見逃さないようにしましょう。