犬のストレスサインと解消法
現代社会では、愛犬にとってストレスがかかりやすい環境になってきているそうです。
自然に触れ合う機会がすくないこと、
気密性の高い住宅で息苦しい環境が多くなったこと、
周りと触れ合う機会が極端に少なくなったなど色々と理由はあります。
犬のストレスは問題行動に発展する
犬のストレスは多少であれば問題はありませんが、過度になると大変なことになります。
まずは問題行動の引き金なることです。
犬には転移行動という、要はやつあたりをする習性があるので、
物をかじったり、荒らしたりすることになります。
他にも欲求不満やイライラから吠えたり、噛みついたりなど、
感情を表す行動にでやすくなります。
これらの問題行動は飼い主さんを悩ませ、
今度は飼い主さんがストレスを感じ、直そうとまた愛犬にストレスをかける・・・
といった悪循環に陥りやすくなります。
ときには病気の引き金にも
もうひとつストレスを放っておくと大変なのが病気の原因になり得ることです。
人間同様、胃炎などの胃腸系の病気のほか、
自傷行為による、耳や脚、などに外傷が起こってしまうことがあります。
これは脅迫神経症という病気の一種で、
他に、自分のしっぽをグルグル追いかけまわしたり、
(ただし、身体を傾けて左回りは脳腫瘍の可能性)
何も飛んでいないのに虫を叩き落とす仕草をすることがあります。
これらは、外からの刺激を欲求しているストレスサインなので、
頻繁に行うようなら注意が必要です。
そのほかのストレスサイン
代表的な犬のストレスサインをまとめました。
一時的なら問題ありませんが、頻繁に行うようなら注意が必要です。
涎をたらす
涎が多くでるのは、犬が極度の緊張やストレスを感じているサインです。
このストレスで涎を垂らしている場合、吐くことを我慢している場合があります。
知らず知らずのうちに犬を追い詰めているなどと言うことはないか考えてみましょう。
足の裏に汗をかく
人間の冷や汗と同様で、犬も緊張すると発汗します。足の裏に汗を搔いている場合ストレスを受けていると考えましょう。
急にフケが出る、換毛期じゃないのに毛が抜ける
人間の場合、ストレスを感じると抜け毛が増えたり肌の状態が悪くなることがあるのと同じで、犬もストレスから肌の状態が悪くなります。上記のような肌のトラブルが起こっている場合は、ストレスから免疫力が低下していることが考えられます。
過剰な毛づくろいを行う
体を異常に掻きむしっている場合は、飼い主にかまってもらいたいため、自分の体を傷つけてしまう行動の場合があります。
鳴く又は吠える
ストレスが溜まりすぎた場合の発散の手段が、鳴く・吼えると言った行動です。
大きな声を出すことで、ストレスを解消しようしている行為と考えましょう。
体を震わせる
心細さや緊張から体を震わせることがあります。
寒さで震えている場合も考えられるので、注意深く観察をしましょう。
下痢・嘔吐をする
神経質な犬の場合、環境が変わったことでストレスを感じて下痢や嘔吐を引き起こす場合があります。状況に慣れてきたり、リラックスできる場所を作ると下痢も嘔吐も止まることが多いです。
筋肉がこわばる
筋肉がこわばるのは緊張している証拠です。精神的ストレスから体が凝ってくることもあります。
耳が後ろに下がる
喜んでいるときにも耳を後ろに倒す場合がありますが、怖がっている時や不安なときにも耳を後ろに下げることがあります。目を合わせない、口元に力が入っている場合は、ストレスを感じてると考えましょう。
落ち着きなく一つのことに集中できない
ストレスになる要因がある場合、精神的に不安定となり落ち着きがなくなることがあります。
暑くないのに下を出してハアハア喘ぐ
ストレスを感じて体温調整をしようとしていると考えられます。室内犬の場合は、室温の調節や換気などを行うと良いでしょう。
排泄の回数が増える
ストレスなど心理的不安を抱えている場合、大量に水を飲むことで精神の安定を図ろうとすることがあります。そのため排泄の回数が異常に増える場合があります。
病気の可能性もあるので、下記記事も参考に必要なら獣医師に相談しましょう。
犬のストレスを解消してあげるには?
人間と同様に、日頃から欲求を解消してあげることが一番です。
身体の健康を保つ
最も大事なのは身体の健康を保つことです。
病気になっていることで、吠えるなどの問題行動を起こすこともありますし、
やはり身体が辛いと犬にとってはストレスになります。
日頃からスキンシップで皮膚の状態や排泄物なども観察して、
異変を感じたら獣医師に相談しましょう。
快適な飼育環境
飼育環境も犬のストレスに大きく影響します。
特に近年マンションなど気密性の高い住宅は、
人間にとっては暑さも寒さもしのげるため快適ですが、
風通しの良いところを好む犬にとっては、息苦しい環境になりがちです。
特に冷暖房のかけすぎなどは犬にとって負担になりますし、
湿気の管理なども重要になります。
ポメラニアンや小型犬の季節ごとの飼育については下記記事も参考にしてください。
かじる欲求とかぐ欲求を満たしてあげる
犬は習性として、においを嗅いだり、かじることで
物事を確認したり、学んだり、遊んだりしていく動物です。
よく、噛み癖などに悩まされる飼い主さんが多いですが、
これは自然の行動のためまったく無くそうとすると、大きなストレスになります。
かじる欲求を十分に満たすことで、問題行動が減ることにもつながるため、
噛んで良いものを与えるように心がけます。(おもちゃとか)
大事なのは噛んで良いものと悪いものの区別を教えるということです。
(かじる行動のしつけは犬の何でもかじる行動を直すしつけとは?を参考にしてください)
同様ににおいを嗅ぐ行為を制限することも大きなストレスになります。
むしろにおいを嗅ぐことで、学習し賢くなりますし、
外部刺激から脳が活性化してボケ防止にも繋がります。
日頃から自宅でいろいろなニオイを嗅がせてあげたり、
散歩中も誤飲には注意しながら、色々なものに触れさせてあげましょう。
運動でエネルギー発散
犬は行動欲求がたかいため、運動も大切です。
十分な散歩や遊びを取り入れることで、エネルギーが発散され、
ぐっすり眠ることができますし、問題行動など起きにくくなります。
毎日必ず運動を取り入れることが大切で、
もし、難しいようであれば、室内で遊ぶだけでもしてあげましょう。
また高齢犬の場合は、過度な運動はできませんが、
寝たきり防止やボケ防止のためにも、
出来る限り散歩などを取り入れるとよいでしょう。
ゆったりとした散歩をこころがけ、
運動よりは気分のリフレッシュという意味合いが強いです。
周りと接する機会を設ける
犬は群れで行動することを習性とした動物なので、
色々な人や犬と接することが自然であり、また欲求があります。
あまりに一人になると孤独から精神が不安定になり、分離不安などもおこります。
毎日飼い主さんがスキンシップを心掛けること、
また愛犬が求めるなら、他の人に接してあげさせたり、
他の犬と遊ばせたりしましょう。
ただし嫌がる場合は、やめておきます。無理強いは禁物!
犬にたくさん話しかけるとストレス解消できる!
犬のストレスは直に体に影響を与えます。愛犬の食欲がなくなったり、
いつもより元気がなくなったりした時はストレスを感じていると考えられます。
そんな時は、犬の体に寄り添いたくさん話しかけてみましょう。
犬は飼い主に話しかけられると、小首をかしげる可愛いポーズを見せてくれます。
まずは愛犬の名前を呼んでみましょう。側にくれば体を預けてくることも多いでしょう。
そんなときは、優しく名前を呼びかけ体を撫でてあげましょう。
信頼する飼い主に呼びかけられると、愛犬を呼ぶ飼い主の声に喜びを感じストレスも軽減されます。
ちょっとした時間でも話しかけるようにすることで、人間の言葉が分からない犬でも、
状況や雰囲気を察知しコミュニケーションがとれます。
コミュケーション不足でストレスを起こし病気に発展することもあります。
ぜひ優しく体を撫でながら愛犬に話しかけるようにしてください。
きっと愛犬も飼い主の言葉に耳を傾けるようになるでしょう。
しつけで好奇心旺盛な犬の心を刺激しよう
一般的に犬は生真面目な性格をしています。
そのため飼い主から教えられたことを忠実に守ります。
しつけは好奇心旺盛な犬にとってはお遊びの1つとも言えます。
時々、新しいしつけを教えて犬の好奇心をそそり、ストレス軽減を行うようにしましょう。
新しいことを学ぶことで犬のアドレナリンが発生し、犬のストレス軽減に繋がります。
犬のストレスを軽減させるのは飼い主の役目ですね。
そのおもちゃは退屈かも?新しいおもちゃを与えてみよう
犬は遊ぶことが大好きな動物です。大好きな飼い主さんと遊ぶ時間は、犬にとって至福の時です。
ボール遊びや引っ張りっこ遊びなどが大好きなワンちゃんですが、
その遊びを通してストレスを軽減することができます。
犬は先天的に活発で好奇心が旺盛です。継続して使用しているおもちゃには飽きが来ている場合もありますし、
新しいおもちゃも好奇心を満足させてあげるのに効果があります。
人間でも刺激の少ない毎日は、ストレスが溜まる原因のひとつです。
平坦な毎日が続く犬は、ちょっとした刺激でストレスを発散できることがあります。
また犬の習性であるかじると言った行動は、物事を確認したり学ぶことが多くあります。
長いお留守番のときなどに、犬用のガムを与え噛む要求を満たしてあげると良いでしょう。