犬の出産準備
交配後、5、6週間してくると妊娠を確認できるようになり、
飼い主さんも出産への準備が必要になってきます。
だいたい9週間(63日)で出産になりますので、しっかりと準備をすすめましょう。
ここでは出産の準備のための情報をまとめました。
ただし参考程度として考え、必ず獣医師さんに相談をして指示に従ってください。
出産準備のための道具リスト
まずは出産をするための道具をチェックし、必要なら揃えましょう。
- 産箱
- 洗面器
- 清潔なタオルが数枚
- ビニールシート
- 新聞紙
- 消毒液
- 脱脂綿
- ハサミ
- 木綿糸
- 色つきの輪ゴム
- 体温計
- ガーゼ
- ティッシュペーパー
- 電気ヒーター(産箱の半分くらいの大きさ)
- はかり
お産の場所(産箱)をつくる
出産をするための産箱を設置する必要があります。
産箱はビニールシートを地面に敷き、その上に産箱をおきます。
産箱には電気ヒーターを片面に置き、上からバスタオルをかぶせます。
産箱は愛犬が慣れている場所に置くこと
産箱の設置場所ですが、特別な場所に置かずに、
愛犬がいつも好んでいる場所の方が、落ち着いて出産することができます。
予定日の2週間前くらいから設置して、母犬を寝かせて慣れさせるようにします。
予定日1週間前には必ず動物病院で診察を
8週目くらいになったら、動物病院でレントゲン検査をおこないます。
- 産道の広さ
- 肋骨(ろっこつ)の大きさ
- 頭数の確認
といったものを確認し、自然分娩か帝王切開にするのか決めます。
帝王切開ならば、どう獣医師と連携をとるのか、
しっかりとした打ち合わせが重要になります。
自然分娩でも人の介助が必要
自然分娩の場合でも、人間の介助が必要になることが多いです。
そのため、ずっとそばにいる必要がでてきます。
出産時間は昼夜問わず、夜間でもあるので、交代で付き添う必要があります。
陣痛と破水、いよいよ出産
いざ出産になると、陣痛が20~30分おきにおこります。
そして徐々に感覚が短くなっていき、次に破水がおこります。
いきみとともに、羊膜に入った胎児が出てきます。
もし、胎児がスムーズにでてこないようであれば、
ガーゼで羊膜をくるむようにして、ゆっくりと引き出してあげます。
難産の場合は
いきみが始まったのに中々胎児が出てこない場合は、
難産の可能性が高いため、すぐに獣医師に連絡しましょう。
特に母犬が高齢だと陣痛が弱く胎児が生まれてこないケースもあります。
難産のケースとしてお腹の胎児の状態が、
- 産道に顔が下を向いた状態になっている
- 産道に入るまえに顎がまがってそっぽを向いた状態
- そっぽを向いた状態から、さらに肩が先に産道に入っている
- 後肢の先端から入らず、しっぽや尻が先に産道に入ってしまう
などがあります。いずれにせよ場合により帝王切開をする必要がでてきます。
胎児が生まれてきたら、助産が必要になることも
場合によって、助産が必要になります。
羊膜を破る
胎児が生まれてくると、羊膜破り、気道を確保する必要があります。
通常母犬が破る作業をしますが、何もしない場合は、
人間が素早く手で破ってあげましょう。
へその緒を切る
へその緒は木綿糸で胎児のへそから5mmくらいのところを縛ります。
ハサミで結び目の外側1cmほど(胎児からみて1.5mm)の場所を切りおとして、
切り口に消毒液をつけておきます。
呼吸を促す
へその緒を切ったら、タオルなどで体を拭いて呼吸をうながしましょう。
もしなかなか呼吸をしないようであれば、子犬を振って呼吸を促すようにします。
またポメラニアンの場合、まれに口と鼻がつながっている状態で、
生まれることもあるので、口を開けて確認します。