ポメラニアンの食事のやり方 高齢犬編

犬も高齢になると、筋肉が衰え脂肪がつきやすくなります。

肥満は病気の原因にもありますから、食事には気を使う必要があります。

ポメラニアンが高齢犬になった時の食事のやり方をまとめました。

 

老犬になればさらに栄養のバランスを考慮

人間と同じように、犬も年を取るにつれて脂肪が付きやすくなってきます。

肥満になると、心臓病など様々な病気の原因にもなるので、

理想的な体型を維持できるように、食事に配慮する必要があります。

カロリー量は成犬時の25%~50%を目安とすると良いです。

必要カロリー計算法は犬の食事量について(必要栄養素とカロリー)をご参照ください。

 

7歳を目途に老犬用ペットフードに切り替える

老犬になってくると食べる力も弱まってきますので、

年齢にあった市販用のドックフードを与えるようにしていきます。

歯が抜けてたり、あごの力が弱まっているのを感じたら、

お湯でふやかすなどして、食べやすくするのもポイントです。

 

食べない場合は、お肉などを少量混ぜる

老犬になってくると食欲がおち、なかなか食べられないこともあります。

その場合は、低脂肪なお肉や魚を少し混ぜてあげると効果的です。

鶏のささ身や脂肪の少ない赤身の精肉、白身の魚などが挙げられます。

(もちろん骨は一緒に与えてはいけません)

食事を少し温めて匂いを出して上げることも食欲増進に効果的です。

また、食いつきの良い健康フードなども良いでしょう。

 

回数を再び増やし、少量にすることも

老犬になると再び消化機能の低下がおこります。

もし食べ物を残すようであれば、回数を増やし、

1回あたりを少量にするのも良いでしょう。

腸の動きも弱まることから、夜をやや少なめにします。

成犬よりはあきらかに量は減りますので、

まったく食べない場合を除き、自然な流れといえます。

 

新鮮なお水がカギとなる

老犬になると腎臓機能の低下により、水分補給がさらに重要になります。

必ず、新鮮な水をいつでも飲めるように配慮しましょう。

 

飲水量が少ない場合は、犬用ミルクやスープを与えるのも良いです。

香りづけに、無糖、無脂肪のプレーンヨーグルトを少量混ぜるのも効果的。だだし、飲み終わったらすぐに片付けてください。

 

高齢犬用ミルクについて

食が細くなりドッグフードを食べる量が減った場合、

水分と栄養の補給が気になるところですね。

高齢になると免疫機能や内臓機能が低下しやすくなりますので、

そんなときは高齢犬用に調整されたミルクを飲ませると良いでしょう。

下痢の原因になる乳糖が含まれていないものを選ぶようにすると、

お腹が緩くならずに飲ませることができます。

 

牛乳よりもヤギのミルクの方が消化をサポートする酵素を含むためお腹に優しく安心です。

栄養価も高く、たんぱく質やビタミンや、

カルシウムが多く含まれていて豊富なエネルギー源となります。

グルコサミンやコンドロイチンが入っているものを選ぶことで、

栄養素が同時に摂取できます。

 

粉ミルクの場合、ドッグフードにふりかけて食べさると食欲をそそり食いつきが良くなります。

また、食欲が落ちている場合、お湯でとかして飲ませてあげると良いでしょう。

日頃から水分を摂る量が少ないポメラニアンには、ヤギのミルクを水またはぬるま湯でとかすと、

甘い良い香りに誘われて飲む場合が多いです。

自力でエサを食べることができなくなった場合でも、

このヤギのミルクを哺乳瓶を使用して飲ませると、水分や栄養補給ができます。

 

ボケ予防や健康維持の栄養素を取り入れる

残念ながらボケる可能性があります。

その予防として、効果的な栄養素を取り入れていくのも良いです。

最近では犬用のサプリメントなどで、老化防止や免疫力を向上させるものもあります。

獣医師と相談しながら、取り入れていくこともよいでしょう。

 

脳の活性化

イワシなどの魚類にはDHA(ドコサヘキサエン酸)と

EPA(エイコサペンタエン酸)という、2つの脂肪酸が豊富に含まれています。

これらは、血液をサラサラにして老化を抑え、神経細胞を活性化させる働きをします。

さらに、癌や心臓病、糖尿病の予防効果もあるので、積極的に取り入れたいです。

 

ただ、魚類は消化不良の原因にもなり、骨などもありますから、

自分で与える場合は十分加熱すること、骨を取り除きます。

ドックフードで魚類が原材料のものがありますから、それらを与えるのも良いでしょう。

 

カテキン

カテキンは体内の酸化防止や抗菌、殺菌、消臭作用があります。

粉末状のサプリメントから摂取すると良いでしょう。

 

ビタミンCとEで抗酸化物質を

抗酸化物質は体内の老化を防いだり、血管を良い状態に保ってくれます。

痴呆対策にはうってつけの栄養素です。

犬の場合、ビタミンCは体内で生成することができますが、加齢とともに困難になります。

ビタミンEとあわせて、野菜から摂取しましょう。

 

野菜を与える際は、細かく刻み、柔らかく水煮したり、

ジューサーでジュースを作ってあげます。

サツマイモ、ジャガイモ、大根、かぼちゃ、リンゴ、イチゴ、トマトなどが良いです。

筋肉や関節に効果のある栄養素を

犬が高齢になると人間と同じように衰えてくるのが、足腰です。

特に衰えるのが後ろ足で、転倒には注意をしてあげることが必要です。

何度も転び体や足が思うようにいかない場合、

犬が自信を無くしてしまい歩くことを嫌がるようになります。

室内に段差がある場合は、犬が歩きやすいように配慮が必要です。

過度に気にしだすと、余計に足を弱らせてしまいます。

外に出たがらない場合、

室内でできる運動などを行い肥満には充分注意が必要です。

 

とくに、栄養過多による肥満が問題です。

つい喜ぶからと人間の食べ物を与えることはNGです。

体重の増加は想像以上に関節に負担をかけます。

また運動不足からの肥満も関節にはよくありません。

標準体重を継続できるように食事にはくれぐれも気を付けましょう。

 

筋肉に効果のある栄養素グルコサミンとコンドロイチンは人間が服用することが有名ですが、

関節周りの症状を軽減できる栄養素のため犬にも効果が期待できます。

このグルコサミンとコンドロイチンですが、共通した成分に思われがちですが、

働きにそれぞれ特徴があります。

コンドロイチン

コンドロイチンは体内の関節や軟骨の構成部分に属し、加齢による軟骨のすり減りなどを食い止める働きをしています。

グルコサミン

グルコサミンはサンドウィッチ3階のように体内成分を含まず、軟骨そのものを再生促進する力を持っています、

できれば両方を飲むことで、より良い効果が現れます。サプリメントを利用すると簡単に摂取できますが、普段の食事から取り入れやすいものを摂取しましょう。

グルコサミンを含む食品

山芋、オクラ、納豆などの食品に多く含まれています。

コンドロイチンを含む食品

うなぎ、納豆、オクラ」などの食品に多く含まれています。

加齢により食事では摂取しきれない栄養を補給してあげるためには、

サプリメントを取入れることも高齢犬にとっては効果的です。

カルシウム不足が起こりやすくなる7歳以上の高齢犬に取っては、

グルコサミン・コンドロイチンの他に、

カルシウムが入っているサプリメントを与えると良いでしょう。

 

高齢犬の食欲がないのは歯の衰えが原因

最近、食欲旺盛だったはずの愛犬が食事を残すようになってきたのは、

年をとってきたから食欲が落ちただけと言う訳ではなく、

もしかしたら歯が衰えてきたためかもしれません。

食欲が落ちてきたなと感じたら、まず歯の様子を見てみましょう。

歯が弱ってきて固いものが噛めなくなってきている様子はありませんか?

歯周病の症状はありませんか?

 

ポメラニアンも人間と同じく、ケアをしないと歯周病にかかります。

歯の表面で細菌が毒素を生産して歯茎や骨に炎症をおこしているのですが、

ポメラニアンが歯周病にかかると、歯茎が赤くなる症状が見られます。

口臭が強く歯茎から出血することもあるので注意が必要です。

歯周病は進行すると歯がグラグラすると言った症状や、

歯が抜け落ちてしまう場合があるため、

少しでも長く愛犬が本来の歯で食事ができるように充分なケアが必要です。

犬はどうしても口の周りや歯を触らせることを嫌がりますが、

子犬の頃から口を触らせる癖をつけておくことが大切です。

 

もし高齢犬になってから歯が抜けた場合、歯周病を発症している可能性が高いです。

歯周病は歯だけではなく血流に乗って全身に影響を及ぼすことがあります。

歯周病が疑われる場合は、動物病院で診察を受けましょう。

食事の時やおもちゃなどで遊んでいるときに歯が抜けることが多く、

飼い主の気づかない間に抜けてしまっていることが多くあります。

もし抜けた歯を飲み込んでしまっている場合もウンチと一緒に排泄されます。

 

歯周病を放置しておくと、炎症が顔中に広がりあごの骨をとかしたり、

膿が溜まり目の下に穴を開けたりする恐い病気であることを心得ておきましょう。

歯周病の予防のためにも、ぜひ子犬の頃から歯のケアを行うようにしましょう。

 

異常な食べ過ぎや飲み過ぎは病気の疑いも

老犬で食欲があまり落ちないのは嬉しいことですが、

今までよりもむしろ食欲旺盛だったり、飲みすぎる場合は、

クッシング(副腎皮質機能亢進症)を疑ってみましょう。

 

これは副腎皮質ホルモンの過剰分泌により、

食欲が止まらない症状です。

特にポメラニアンは正常時でも高めな犬種ですので、

老犬になると症状が発症しやすいと言えます。

 

食べているのに痩せている場合は糖尿病の可能性も

食べているのに妙に痩せている場合は糖尿病の可能性もあります。

症状として、水を沢山飲む、尿の量が多いなどです。

多くは6歳以上から発症の可能性が高くなるとされています。

 

厳しさも必要な愛情

私自身もそうですが、どうしても愛犬の可愛さに負けて食べ物を与えてしまい、

肥満になっているというのはよくあることではないでしょうか。

 

ただ、肥満はやはり病気を引き起こす原因となります。

我が愛犬は心臓病の際、体重増加は死を招くと医師から言われて、

ダイエットをおこないました。

長く愛犬と暮らすためには、時には心を鬼にするのも愛情の一つなのかもしれません。

 

 



スポンサー広告

このページの先頭へ